昭和44年5刷り。ハヤカワSFシリーズ版。定価300円。経年相当のお品です。
ジャックは何を思ったのか、ベッキイを見つめ、ついで妻に視線を移して、「しっかりするんだよ」といった。彼はドアを開いて撞球室に入ると天井から下っている電燈の鎖をひいた。
撞球台の上の電燈は、光線を台の上にだけ集中するように直角のシェードがかかっていて、そのため部屋は半ば闇に包まれている。闇の中で、そのとき、ベッキイがはっと息をのむ気配がしたー 150ワットの大電球の発する煌々たる光のもと、輝くばかりに鮮やかな緑のフエルト張りの台の上に、ゴム引きのシートに覆われて、見紛うべくもない人間の身体が、ながながと横たわっていたのである。私はシートをつかんでひき落した.....。
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この地球上には、稀に、常識の判断し得ない奇異な現象の起ることがある。その多くは誤謬か妄想か偶然の一致だが、ごく小数ではあれ、例外はあるのだ。これは、カリフォルニア州の小都会を静かに包んだ戦慄すべき物語である。ことの起りはー。
記念すべきハヤカワSFシリーズ開始の1冊!